保育士(保母)の活躍の場

■保育所
 保育所の機能は、児童福祉法第39条に「保育所は、日々保護者の委託を受けて、保育に欠けるその乳児又は幼児を保育することを目的とする施設とする」となっています。
 つまり、保育所の基本的な特徴は、両親が共働きであったり、家の中に看病を必要とする家族がいて、日中家庭内で保育することが困難な状態、父親もしくは母親がいない家庭で日中保育できないなどの「保育に欠ける」状態にある乳幼児を保育することです。そして、このことにより、母親は安心して労働に従事できたり、病人の看護や介護に専念することができるのです。
 では、保育所の保育士はどのような仕事をしていかなければならないのでしょうか。保育所での仕事を示した「保育所保育指針」では、「養護と教育が一体となって、豊かな人間性をもった子どもを育成する」こととなっています。このことをもう少し具体的に見ていきましょう。
 養護とは、乳幼児の身体的・生理的要求と社会的・人格的欲求を、保育者が受けとめ、こうした要求や欲求を満たしていくことです。そのことにより、乳幼児は心身ともに安定し、健やかに育っていくことができるのです。
 次に、教育の機能について考えてみましょう。教育機能とは、子どもの年齢や発達に応じて、その心身の健全な成長を助けることです。子ども一人ひとりの個性や特性を十分に知り、一人ひとりの子どもの発達に応じた対応が必要です。また、子どもには集団のなかで子ども同士による相互関係により、一人ひとりの発達を促す作用があります。保育士は、そうした子どもの特性を利用しながら、子どもに必要な保育環境、保育内容によって、乳幼児の発達を促進していくことが重要な仕事といえるでしょう。